連載第16回目の薬草観察記。
年末年始は天気が良く寒さも和らいだため快適に観察できました。
今回の観察場所は大御神社周辺(日向市)です。
冬場ですが、海辺の植物たちはたくましく生きておりました(^^♪
【凡例】
(薬)=薬草
(食)=食用
(毒)=毒草
(材)=建材や和紙などの生活用品の材料として利用されるもの
(油)=油の原料になるもの
(観)=専ら観賞して楽しむ植物
(樹)=街路樹、公園樹、防風樹、防火樹などに植栽される植物
(牧)=若山牧水の短歌に登場する植物
(用途不明)=薬用、食用、毒性などの用途が不明な植物※私が勉強不足な場合もあります(^-^;
など
大御神社周辺
年末年始は神社にお詣りに行く機会が多く、ついでに薬草観察も行いました(^^♪
12月25日
お正月前、クリスマスに大祓式のお札を納めに行ったついでに薬草観察。
境内ではお正月の準備が進んでいました。
ヤツデの果実は昔の子どもの遊びで竹鉄砲の玉にされたそうです。神経痛、リウマチに浴用。
古代の祭壇跡「神座(かみくら)」。これがまるごとさざれ石。この周辺がさざれ石群になっていて、海辺特有の植物が自生しています。
振り向くと日向灘が一望できる見晴らしのよさ(^^♪
アツバキミガヨラン(観)。天気も良く眺めよし!
9月に撮影した時の花。白くて大きめの花が穂状に咲きます。
マサキ(樹)。海岸沿いに多く自生。薬用にはしません。どちらかというと毒。
開裂したマサキの果実。赤い種子が露出。
アゼトウナ(用途不明)。岩肌でも自生できるたくましさ。
ツルソバ。沖縄地方では薬草にするようです。
カナリーヤシ(樹)。
ヤシ類は南国を演出するシンボルツリー。
クサスギカズラ(薬)。分類的にはアスパラガスの仲間。コルク層を除いた根塊を蒸したものが生薬の「天門冬」。鎮咳去痰などを目的として漢方で使用されます。一度掘って確かめたことがありますが、ここら辺に自生するものは薬用にするほど大きな根はできないようです。
スイバ(薬・食)。噛むと酸っぱいのでスイバ。柔らかい新芽を塩ゆであく抜きして食用。シュウ酸が多いので多食しないでください。
ツワブキ(食)。塩ゆであく抜きして食用。
トベラ(薬)。開裂した果実。寄生性皮膚病変に乾燥した葉を煎じて外用。
紅葉するハゼノキ(薬・蝋)
ハマダイコン(薬・食)。掘ると小さな大根が出てきます。辛いですが食用可。
ハマナタマメ(毒)豆は毒があるので食べないでください。
ハマヒサカキ(樹)。花がちょっと独特の匂い。
フウトウカズラ(薬)神経痛・筋肉痛に茎葉を浴用にする。
ヘウソカズラ(薬)の果実。果実をつぶしてハンドクリームに混ぜてあかぎれに外用。
ボタンボウフウ(薬・食)。別名「長命草」として健康野菜。冬でも鮮やかな緑色。刺身のツマにも。
ミツバ(食・薬)の宝庫!買ったものよりはあくが強いと思いますが。
ハッサク(食)。神社近くの松林の中でたくさん実っていました。
シャリンバイ(樹・薬)。庭木としてよく植栽。葉に抗炎症作用。潰瘍のある腫れ物、打撲傷に葉の煎液で洗浄。
ヒメイタビ(食)。海岸沿いに多く自生。完熟果実は食べられる。
亀の形をした奇岩「亀岩」
大御神社内に「鵜戸神社」と呼ばれる分社があります。
鵜戸神社内に残る5000年前の祭壇跡「龍宮」。5000年前から祈りがささげられている場所が未だに神社というのも驚き。
1月3日 初詣
今年は元旦が仕事でしたので、初詣が3日になってしまいましたが、天気も良く、すがすがしい気持ちでお参りさせていただきました(^^♪
おみくじはなんと大吉!なんかいいことありそうな予感(^^♪
今年はうさぎ年。ぴょんぴょん飛躍の年にしたいですね。
ノジギク(用途不明)。キク科ですので毒性も少ないしなんらかの薬効が期待できると考えるが、利用した文献がみあたらず。
1月6日 成人の日を前に参拝
成人式出席のため、長女が帰省しましたので、家族であらためて大御神社に参拝。
6日ともなるとさすがに参拝客は少なめ。でも普段よりは人出があります。
左の写真はゴヨウアケビ(薬・食)。姉妹で引いたおみくじのご神託がまったく同じでした(笑)
神座を振り返ると日向灘が一望。
ハマカンゾウ(薬・食)。春先の若芽や開花期前の蕾を食用に。
ボタンボウフウ(薬・食)の花は初撮影。やはりセリ科特有の白い複散形花序をつけるようですね。
フサザキスイセン(観、毒)。今の時期花がきれいです。毒がありますので食べられません。ニラと間違える事故が報告されています。
ヤブツバキ(薬・食)。冬の花の少ない時期に赤い花がひときわ目を引きます。花は天ぷらで食べられます。
まとめ
R4/12/25~R5/1/6 大御神社周辺
ヤツデ(薬)、アツバキミガヨラン(観)、マサキ(樹)、アゼトウナ(用途不明)、ツルソバ(一部地域で薬)、カナリーヤシ(樹)、クサスギカズラ(薬)、スイバ(薬・食)、ツワブキ(食)、トベラ(薬)、ハゼノキ(薬・蝋)、ハマダイコン(薬・食)
観察後記
大御神社周辺は景色がよく植物も多いのでお気に入りの観察スポットです。
やはり初詣に行くとすがすがしい気持ちで1年のスタートが切れますね。
今年は今まで行ったことのない場所に薬草観察に行ってみたいと思います。
やくそう会の活動も春の一般向け薬草観察会に向けて準備を進めていきたいと思います。
本年もよろしくお願いいたしますm(__)m
【凡例】
(薬)=薬草
(食)=食用
(毒)=毒草
(材)=建材や和紙などの生活用品の材料として利用されるもの
(油)=油の原料になるもの
(観)=専ら観賞して楽しむ植物
(樹)=街路樹、公園樹、防風樹、防火樹などに植栽される植物
(牧)=若山牧水の短歌に登場する植物
(用途不明)=薬用、食用、毒性などの用途が不明な植物※私が勉強不足な場合もあります(^-^;
など