ハスとスイレンの違い
7月12日〜16日頃は七十二候で「蓮始開」(はすはじめてひらく)。
ハスの花が開き始める頃です。
宮崎の県北地域ではハスはあまり見かけませんが、似た植物のスイレンを植栽している公園は私の知る限り2か所あります。
ひとつは延岡市の「延岡植物園」、もうひとつは美郷町南郷の「なかのこし花公園」
ハスとスイレンは花も葉も形が似ていて、総称して蓮華(レンゲ)と呼んだりします。
ハスとスイレンの違いは以下の通り。
ハス(蓮) Nelumbo nucifera Gaertn. | スイレン(睡蓮) Nymphaea tetragona Georgiヒツジグサ等 | |
科名 | ハス科 | スイレン科 |
花期 | 6月~8月 | 5~10月 |
花 | 水面より高く花柄を伸ばして開花。 午前中に開花 | 水面近くに開花。ハスより小さい。 午後2時頃に開花 |
葉 | 光沢・ツヤがある。水をはじかない。 | 光沢がない。水をはじく。 |
根 | レンコン(蓮根)として食用 | 塊根は通常食べない |
名の由来 | 開花後の果托が蜂の巣に似ているから。ハチスの別名。 | 日差しが弱くなると眠ったように花を閉じるから |
写真を狙うならハスは午前中、スイレンは2時前後でしょうか。
でも7月上旬の2時前後に延岡植物園にスイレンを撮影に行きましたが、つぼみのままでした(´;ω;`)ウゥゥ
時間帯を変えて撮影に通う必要がありそうです。
若山牧水も詠んでます
若山牧水もハスの短歌を詠んでいますのでご紹介いたします。
蓮ひらく しらじら明けに 不忍の池にまひ降るる 白鷺のむれ (白梅集)
朝露の 蓮みるひとの 靜かなる つかれたる顏を よしとおもへり (白梅集)
白梅集,若山牧水
スイレンの短歌はこちら
やとばかり驚き見たる一鉢の睡蓮の花は友の呉れしとふ(渓谷集)
投げざしの一鉢のなかの睡蓮の花ことごとく咲きにけるかも(未収録)
若山牧水
開花期の夏が見頃ですので、お近くの植物園にお出かけしてみてはいかがでしょうか(^▽^)/
薬草としての蓮
【植物名(和名)】ハス
【学名】Nelumbo nucifera Gaertn.
【科名】ハス科
【別名】ハチス
【和名(漢字)】蓮
【生薬名】①蓮肉 、②蓮実、③蓮根
【花期】6月下旬~8月下旬
【採取時期】秋
【薬用部位】①種子、②果実、③根茎
【薬効と用法】
種子に鎮静,下痢止め,健胃,強壮の作用があり漢方・清心蓮子飲(せいしんれんしいん)に配合される
民間療法では滋養強壮に乾燥した果実(蓮実)をフライパンで炒って食べる
根茎(レンコン)を刻んで煎じた液を下痢に服用。また、その煎じ液でうがいすると咽頭炎、口内炎等に効果が期待できる。レンコンのしぼり汁も咽頭痛、咳止めに。
レンコンはきんぴら、煮物など和食の定番食材である。