ジャーマンカモミールの概要
【植物名(和名)】カミツレ
【学名】Matricaria chamomilla L.
【科名APG】Asteraceae(キク科)
【和名(漢字)】加密列(カミツレ)
【別名】ジャーマンカモミール、カミルレ、カモマイル、カモミール
【英名】German chamomile
【中国名】母菊、欧薬菊
【花期】5~6月(春秋2回開花とも)
【使用部位】花(浴用では全草)
【採取期と調製法】5~6月ころ花の中心部の黄色鮮やかかつ舌状花がピンとはっているときに花を採取し出きるだけ早めに日干し乾燥
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い
ジャーマン | ローマン |
Matricaria chamomilla L. | Anthemis nobilis |
1年草 :繁殖力ありこぼれ種でよく増える | 多年草 :耐寒性で匍匐性 |
花だけにリンゴの芳香 (テルペンアルコール) | 全草にリンゴの芳香 |
花床断面が空洞 | 花床断面が空洞でない |
精油が青色 カマズレン含有→肌荒れに | 精油が淡い黄色 |
高価 | 安価 |
ティーでよく用いられる | ジャーマン種より苦い シェリー酒の風味付け |
カモミールティーの薬能
①ハーブティー
- 発汗☞ヨーロッパの人は風邪の初期によく飲む
- 建胃・整腸☞胃もたれ、腹が張るなど胃腸炎の症状に
- 鎮痛・消炎☞口内炎に濃く煎じた液でうがい。口臭予防にも。
- 鎮静☞不眠・不安、落ち着かない時に
- 保温、血行促進☞月経前症候群、更年期障害
②精油
★アロマテラピー☞精神安定、不眠に
③浴用
★入浴剤として☞肌荒れ、かゆみ、神経痛、腰痛、痔疾、冷え性、心身の疲労に全草を刻み乾燥物を煮出す
ジャーマン・カモミールの安全性情報
- ジャーマンカモミールの妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないので使用を避ける
- 34歳 (妊娠20週、3妊2産) 、32歳 (妊娠35週、1妊0産) の妊婦 (イギリス) が、それぞれカモミールティー を継続的に摂取したところ 、胎児に動脈管早期収縮がみられた
- ティーでアナフィラキシィー反応症例がありキク科アレルギーに要注意
- 安全性情報https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail496.html#1
以上の知見から販売に際しては以下の注意が必要
◆妊婦は使用しない(十分なデータがない)
◆キク科アレルギーの方は控える
◆運転注意(眠気のため)
ジャーマンカモミールあれこれ
- 西欧では4000年前バビロニアで既に利用
- 日本には1818年オランダから初めて薬草を取り寄せた時カミルレの名前で入ってきた
- 精油 [プロアズレン、α-ビサボロール、マトリシン(→蒸留でカマズレン) ] 、フラボノイド、クマリン、タンニン、カプリン酸
- ティーにカマズレンは含まれない
- 畑のお医者さん“コンパニオンプランツ”→弱っているキャベツやブロッコリーなどアブラナ科やタマネギなどの野菜の周りにカミツレを植え付けると、元気を取り戻す
- カモミールの語源は古代ギリシア語で、「地上のりんご」を意味する「カマイメロン」に由来
- ヨーロッパでは「医者の薬」といわれる代表的な医療用ハーブ
- イギリスの童話「ピーターラビット」の話の中にもカモミールティーが登場。おなかをこわしたピーターにお母さんがつくってくれた。
- クレオパトラも愛用し月経痛などの女性特有の症状の緩和に用いられていたことから、別名「マザーハーブ」とも