4月20〜24日頃は晩春にあたり、二十四節気では 『穀雨(こくう) 』で、穀物や野菜、野山の植物が育つための恵みの雨がしっとりと降り注ぐ頃とされています。
また七十二候では『葭始生(あしはじめてしょうず)』。
水辺の葦が芽吹き始め、野山の植物がますます緑につつまれ始める頃です。
ヨシはかつてはよしずや屋根を吹く材料となり人々の暮らしを支えてきました。
学術的には『ヨシ』とよ読みます。『アシ』とも読みますが、「悪し」につながるのでヨシ(良し)という読み方の用が定着したとのこと。
「葦」「蘆」「葭」の3つの漢字があり、いずれもアシとヨシの両方の読み方があるようです。
3つの漢字の使い分けについてはよく分かりません。
どなたか教えていただけますと幸いです(^-^;
若山牧水も『ヨシ』の句を詠んでいますのでご紹介いたします。
「葦」「蘆」「葭」いずれの漢字も使用しています。
悲しみは蘆の葉ゆらぬ そよ風の靜けさに似て胸をつつみぬ(歌集未収録)
この河の流れて海に入らむさま 蘆の間におもひ悲しむ(別離)
あめつちの 青くくもれる河の辺の 葦原に巣をまもる葦切鳥(よしきり) (路上)
淸らけき うす色の羽根よ 葭の原ゆ 啼きつつとべる 行々子(ぎょぎょうし)見れば(黒松)
若山牧水
ヨシキリが巣をつくる
牧水の句にも登場しますが、葦の原にはヨシキリという鳥が巣をつくるそうです。
「ギョギョシ ギョギョシ」と鳴くので別名『行々子』(ぎょぎょうし)とも呼び、これも牧水の句に登場しますね。
近所の川が一面葦の原なんですが姿は見たことはありません。
鳴き声はなんとなく聞いたあるような気が…
気に留めなかっただけかもしれません(^-^;
今後注意して観察します(^-^;
意外と薬草
ヨシPhragmites australis (Cav.) Trin. ex Steud.は薬草としての用途もあります。
地上部が枯れる冬に根茎を掘り取り、天日干しにしたのが生薬の『蘆根(ろこん)』です。
吐き気止め、利尿、止血、消炎の目的で蘆根を煎じて服用します。
うすく煎じてお茶代わりにのんでもよいそうです。
同じイネ科のチガヤと薬効、使用法が似ています。
但し、都市河川に生えているヨシを掘り起こして活用する気にはなれません…(^-^;
汚染が気になりますので(^-^;
きれいな水辺に葦が群生しているのならば、試してみてもよいかもしれません(^^♪