メドハギ茶との出会い~漢方・生薬「温故知新」講座受講しました

メドハギ茶との出会い~漢方・生薬「温故知新」講座受講しました

2023年11月4日
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公開講座受講

11月3日に大学の先生のお誘いで熊本大学公開講座、漢方・生薬「温故知新」講座を受講しました。

今回の講師は高知県牧野植物園の稲垣典年先生と国立科学博物館の田中伸幸先生のお二方。

高知県牧野植物園の稲垣典年先生は、「牧野富太郎の聖地を歩く」という高知県の取り組みを全国に広める活動をご紹介されていました。

植物学者、牧野富太郎博士が調査を行うために立ち寄った場所を再生し史跡として残していく取り組みです。

また、NHK連ドラ「らんまん」の植物考証を務められた国立科学博物館 田中伸幸先生も登壇。

植物学の基礎や歴史をじっくり学ばせていただきました。

「らんまん」の裏話もたくさん聞けて面白かったです(^^♪

薬草を学ぶ上では植物学の基礎も大事ですね。

というか、世界の植物学の発祥は洋の東西を問わず薬草採集から始まっているというのが興味深かったです。

薬草茶販売も

山都町御岳自治振興会薬草クラブ製造の薬草茶の販売もあり5つも衝動買いしました(笑)

メドハギ茶、カキドオシ茶、オオバコ茶、松の葉茶、ゲンノショウコ茶

個人的に初体験は「メドハギ茶」。

会場ではメドハギ茶の振る舞いが行われていて、迷わず試飲(^▽^)/

クセのない味わいで、いろんな薬草と違和感なくブレンドできそうです。

日向市でも道路端や川沿いの遊歩道などに普通に生えていますが、薬草に使えるようです!

こんな身近な植物がまたひとつ使える薬草の仲間に加わって、心強い限り(^^♪

ぜひ活用させていただきます(^▽^)/

メドハギ茶を始め、堂々の薬草ラインナップ!

有用植物メモ

2023年10月13日牧水公園にて

【植物名和名(漢字)】

メドハギ

【学名】

Lespedeza cuneata (Dum.Cours.) G.Don var. cuneata

【科名APG】

 Fabaceae(マメ科)

【生薬名】

夜関門(やかんもん)

【花期】

9月

【使用部位】

地上部、全草

【採取と調製】

通年利用可能。地上部を日干し乾燥させ刻む。

※牧野和漢薬草大図鑑(和田浩志他,北隆館,2002年)には生を使う場合は9~10月に採取した新鮮なものを使用とするされています。

【効能】

血圧降下、血糖降下、鎮咳・去痰作用、抗菌作用、胃炎・胃痛、滋養強壮

※牧野和漢薬草大図鑑によると、動物実験で鎮咳・去痰、気管支拡張効果が顕著とのこと。また、韓国では昔から強壮薬として薬酒にするようです。

【使用法】

刻んだ乾燥品5gにお湯を注いで3分ほど置き、薬草茶に。

効かせたい場合は5~10gを水1000mLに入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして20分くらい弱火で煎じる。

※牧野和漢薬草大図鑑には「急性胃炎に乾燥した全草100gを水1200mLで200mLまで煮詰める」とあります。

酒に漬けてもよい。

メドハギ150gをホワイトリカー(35度)1.8Lに漬けて、約100日間涼しいところに保管。メドハギを除き、別の瓶にろ過して完成。1日おちょこ1杯くらいずつ飲む。

※茶・酒の作り方は鹿児島県伊佐市 やさしいまちオンラインショップを参考

メドハギをティーバッグから出してみました。これで5gです。
小土鍋に入るだけの水約500mLとメドハギ5gを入れて、沸騰後とろ火で20分…
煎じ完成。
まったくクセがありません。もう少し煮詰めても良い感じです。
2022年8月20日塩見川河川敷にて

参考】

強壮薬などで昔から利用する韓国、中国では、盛んに成分や機能性の研究が行われているようで、論文検索でも多数ヒットします。

科学論文検索サイト「Pubmed」で「Lespedeza cuneata」(メドハギの学名)を検索すると、

  1. Lespedeza cuneata抽出物(以下LCE)を含むうがい液でうがいをすることは、虫歯の予防と進行抑制、口臭予防に有用(PMID: 36456715)(PMID: 37439803)
  2. ラットの実験でLCEがアテローム性動脈硬化症に対する強力な予防因子を含んでいることを示唆(PMID: 29611586)
  3. 細胞実験で活性酸素消去活性が有意に増加。またマウスメラノーマ細胞のメラニン合成を阻害。抗シワ・シミ作用のある新しい化粧品の開発に有用の可能性(PMID: 30065832)
  4. LCEはNO、cGMP、遊離テストステロンを増強することが示唆され、男性更年期障害を改善する健康補助食品として開発できる可能性がある。(PMID: 30815317)
  5. LCEは5α-リダクターゼなどの活性を低下させ、前立腺肥大症の治療薬として有望(PMID: 30724641)
  6. 糖毒性による血管内皮機能障害の予防または治療に有効の可能性(PMID: 29157823)
  7. 抗糖尿病、抗高脂血症、抗酸化作用(PMID: 37042914)
  8. LCEが内皮依存性のNO-cGMPシグナルを介して血管平滑筋を拡張させる(PMID: 21607822)

など多数ヒットします。

特に虫歯や口臭予防に関しては臨床でのエビデンスがあります。

それ以外は細胞実験や動物実験ですが民間伝承の効能を裏付けるような研究結果がほとんど。

韓国、中国ではその有用性が古くから認識され、創薬につなげようとする研究が活発のようですね。

中国の検索サイト百度(バイドゥ)の百度百科によるとスープに煮出して薬膳に使用する用法もありました。クセがないので薬膳粥などにもよいかもですね。

強壮作用に関しては私のような更年期を迎えた男性によい印象です(笑)

美容にも良いのでもちろん女性にもご活用いただけます(^^♪

2022年08月5日御鉾ヶ浦にて
‎2020‎年‎7‎月‎19‎日牧水公園にて