【植物名(和名)】 アカマツ
【学名】 Pinus densiflora Siebold et Zucc.
【科名】 Pinaceae (マツ科)
【和名(漢字)】 赤松
【別名】 雌松(メマツ)
【英名】 Japanese Red Pine
【中国名】 赤松
【生薬名】 松葉、松脂(しょうし)、海松子(かいしょうし)
【花期】 4~5月
【栽培】
水はけがよい場所を好むが、自生するものは極度のやせ地、乾燥地でも育つ。痩せた土地に育つアカマツの根元にはマツタケが生えることもよく知られている。播種は晩秋に行う。
【使用部位】 葉、樹脂(松脂)
【採取時期と調製】
葉は一年中採取できる。必要に応じて、木から採取し、水洗いして使用。入浴剤にする場合は陰干し。
樹脂は夏に樹皮からにじみ出てきたものを採集し、ゴミを除いてから2~3日陰干し。
陰干しした樹脂は瓶に入れて保存。
【植物解説】
北海道から九州の日当たりのよい山地に生える常緑針葉高木。樹高30~40mに達する。樹皮は人目に付く赤褐色で、亀甲状に割れ目が入る。雌雄同株で、春に伸びる新芽の枝端に紫紅色の球状の雌花を、基部には多数の楕円形の雄花をつける。球果(松かさ)は翌年10月に成熟。
葉は緑色、針状の2本が対になって生え、下部は褐色の膜状の鞘で包まれる。
アカマツの葉は比較的柔らかく葉先は痛くない(クロマツは痛い)
【成分】
葉:ビタミンA、ビタミンC、クエルセチンなど
精油:ピネン、カンファン、ヘランドロン、ボルネオール
【薬効】
血管壁の強化作用→動脈硬化、高血圧、脳卒中の予防
冷え性、食欲不振、滋養強壮
リウマチ、神経痛
【用法】
実、葉、樹皮をとともに煎じ薬、薬酒として利用。
アカマツ葉300gを洗って水気を取り細かく刻んでグラニュー糖100g(好みで調整可)、ホワイトリカー1.8Lとともに瓶に入れて3か月寝かせると松葉酒ができる。高血圧の予防にはこれを1回20mL、1日3回飲むと良い。黒砂糖、はちみつを混ぜると飲みやすくなる。
生の松葉を刻んで瓶にできるだけ多く詰め込む。100mLあたり5gのグラニュー糖を溶かした溶液を瓶に注ぎ、日光に当てて発酵。夏で5日、冬で10日で発酵が始まる。さらに暗所に移して発酵を続け、10日~1か月後に布で漉すとサイダーのような発酵飲料ができる。葉の基部の膜状の鞘はなるべく除くとする文献もある。
入浴剤として、陰干しした葉を布袋に入れて浴層に入れる。
肩こりや打ち身に樹脂を温めて和紙に塗ったものを患部に貼る。
ひび、あかぎれに樹脂10gを消毒用エチルアルコール20gに溶かした液(チンキ剤)を1日2~3回塗布する。
口内炎、虫歯に生葉の煎じ液でうがい。
【参考文献】