出会い直し
5月3日、自宅から車で2時間の椎葉村に残る生家を訪れ周辺の山歩きを楽しみました。
生家周辺の山歩きは小学校以来で、40年ぶりくらいだと思います。
幼い頃よく遊んだ山林ですが、薬草の知識が身についてから訪ねてみると、役に立つ植物がたくさん自生していることに気づき、改めて出会い直したような新鮮さを覚えました。
宝の山を残してくれたご先祖様に感謝です。
クロモジ発見!
今回観察できた薬草の中で、最も印象的だったのがクロモジ。
クロモジは以前、日向市東郷町でも栽培を試みたことがありますが、気候が合わないのかうまく育たず、現在のところ栽培を中断しています。
その時わずかに育ったクロモジで作ったクロモジ茶を頂いたことがありますが、さわやかな香りと味でとてもおいしく、是非地域の保険薬局で販売させてほしいと思ったものですが、結局は実現しませんでした。
そのクロモジが、なんと幼い頃から知っている山林の中に自生しているのです。
そこかしこに生えているクロモジを発見して感激しました。
お茶にして飲んでみたい衝動に駆られて、3本小枝を折ってお持ち帰りしました(^^♪
製茶
先ずはよく洗って、葉と枝に分けます。
葉はそのまま陰干し。
枝はくしゃくしゃにしたアルミホイルでこすったりしごいたりして表面の黒い部分を落とし、緑色にします。
その後、剪定ばさみでチョキチョキ1~2cmほどに細かく刻んで日陰干しで乾燥します。
香りは圧倒的に枝がの方は強く、葉の方はまぁまぁの印象。
枝は1~2週間の乾燥が必要のようですが、途中長雨が降るようなら食器乾燥機で乾燥させることも検討します。
できあがったら追ってご報告いたします!(^^♪
クロモジ備忘録
【植物名(和名)】クロモジ
【学術名】Lindera umbellata Thunb. var. umbellata
【科名】 Lauraceae(クスノキ科)
【花期】3~4月
【生薬名】
枝・葉:釣樟(ちょうしょう)
根皮:釣樟(ちょうしょうこんぴ)
【使用部位】
枝葉,根皮
【植物解説】
関東以西の山地の日陰に自生する高さ2~3mで雌雄異株の落葉低木。
樹皮はなめらかで黒褐色、黒い斑点がありこれを文字に見立ててクロモジの名前がついたとされる。
若い小枝は黄緑色で、ところどころに黒い模様斑があり、成長とともに次第に黒褐色に覆われる。
葉は卵状長楕円形で、枝先にまとまって互生する。
材質は軽くやわらかいため加工しやすく、芳香成分の精油に抗菌作用があるため高級爪楊枝として利用される。
水蒸気蒸留して得た精油(クロモジ油)は香料、香水、アロマオイルなどに利用。
【薬効と用法】
民間利用法として以下の通り
◇水虫・たむし・湿疹に乾燥した根皮20gを600mLの水で半量になるまで煎じた液で患部を洗浄。
◇胃腸炎・咳・たんに乾燥した根皮10gを600mLの水で半量になるまで煎じ、3回に分けて服用。
◇関節炎、リウマチに枝・葉を布袋に入れて浴湯料として。
◇乾燥した枝葉をクロモジ茶や薬用酒にして適量常飲。建胃、食欲増進、風邪予防の効果が期待できる。