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5月26日の記事で地元薬草愛好家の方(以下、Yさん)からアカザ(藜,Chenopodium giganteum D.Don ,ヒユ科)の苗と種をいただいたことをご報告しました。
Yさんは齢90を超えていて、薬草観察会への参加は難しいようですが、薬草への関心や情熱は人一倍強く、積極的に連絡をくださる方です。
手紙
そのYさんから先日手紙が届きました。
今となってはほとんど見かけなくなったアカザを植え継いで、絶やさないでほしいとの内容。
薬草愛好家仲間が高齢となり、一緒に育てて喜び合う機会も減ったため、やくそう会の皆さんで植えて活用してほしいとの思いが切々と綴られていました。
Yさんは、昔、西都市で発見した株を持ち帰り、畑の隅に植栽。
以来、大事に育て続け、葉を煎じて活用したり、若芽を食したり、大きく育てて杖を作って仲間に配ったりしてきたそうです。
アカザについて
アカザは民間療法で下痢止め、健胃、強壮に葉の煎じ液を服用したり、魚の目・いぼ取りに煎じ液を外用するなどして薬草として利用されます。
また、歯痛には煎じ液でうがいするとよいとされます。
若葉は食べられます。
ネット情報では酸っぱいとかホウレンソウに似ているとかありますが、生でかじってみてもあまりクセはない印象。
昔は救荒植物として食されましたが、シュウ酸を多く含むようで、多食は控えたほうが良いかもしれません。実がプチプチした食感でおいしいという情報もあります。
また、大きく育った茎は軽くて丈夫な杖になり、常用すると中風の予防、治療に効果があるとの伝説があります。
ちなみにYさんは昔、喘息に効くとの文献を目にして、喘息の持病があった夫に煎じて飲ませていたようです。
偉人御用達の杖
アカザの杖は、かの水戸黄門や松尾芭蕉もご愛用。
ちなみに、
宿りせむ 藜の杖になる日まで
(句意:ゆっくりと宿泊させていただきましょう。庭のアカザが大きく育って杖にできるようになるまで)
は松尾芭蕉が美濃を訪れた際、お弟子さんの極上のもてなしに対して贈った句だとか。
手触りが良く、軽いため、偉人達の長旅のお供には欠かせなかったのかもしれませんね。
※参考文献:芭蕉俳句集、岩波書店、1997年
アカザを継ぐ
いただいた苗は地植えしました。
しかし、現時点では下の写真のように少し元気ありません。
個人的には秋まで大きく育てて杖を作ってみたいです。
そしてその杖で山登りでもしたら気持ち良さそう(^^♪
先ずは栽培に成功しないと杖はできませんが(^-^;
アカザ栽培の適当な文献が見当たらないため、Yさんに聞いたり、ネット情報を参考にしたりして地道に育てたいと思います。
追って経過をご報告いたします(^▽^)/
※サムネールの写真はphotoACより引用しました
2024年6月9日追記
経過を報告します。
▼5月31日時点でのアカザの様子。
畑にただ植えただけですが、だんだん枯れてきているのがわかります。
ネット情報だとアルカリ土壌を好み、湿地を好むとありましたので、
▼6月5日に苦土石灰、バーク堆肥、藁マルチを施し、こまめに水やりをしました。
▼6月9日。元気を取り戻してきているのがわかります。
なんとか枯れずに踏みとどまってくれました(^^♪
「活着しました!」とYさんにご報告できそうです(^^♪